校長のひとこと

校長のひとこと

サイン

 2月6日(月)に実施したキャリア講話の講師・寺田明日香さんから、サインをいただきました。陸上競技界のトップアスリートなので、サインは非常に慣れていて、サッと一気に書いていただきました。かわいいデザインから、「このサインは、誰か専門家のアドバイスでつくったのですか」と聞いたところ、「いえ、高校時代に友人がつくったもの」と教えてくれました。
 その友人は美術部に所属していて、「将来明日香は活躍するから」といってサインをデザインしてくれたとのこと。
 このサインには、寺田さんの栄光と挫折を繰り返してきた汗や血はもちろんのこと、デザインしてもらった友人との絆を守ってきた魂がこもっていたんですね。
 本当にいいサインだと思います。ありがとうございました。

未来へ

 12月9日(金)~12日(月)の3泊4日で、2年生の見学旅行を団長として引率しました。旅先は沖縄。私にとって初めての沖縄旅行でした。ひめゆりの塔、平和公園、おきなわワールドの鍾乳洞、トロピカルビーチ、美ら海水族館と、どれをとっても新鮮で素晴らしい沖縄文化を私自身満喫できましたが、生徒はこのほかに読谷村で民泊体験を行っており、これが最高に充実した経験だったようです。
 ここで言う民泊とは、国内版のグループで行うホームステイのことで、民家のお父さん、お母さんが、高校生のグループを受け入れてくれて、体験活動を含めて寝食をともにしながら指導してくれるものです。沖縄の人と直に接し、文化を学びながら、沖縄の家庭料理を食べることができ、生徒たちは本当に喜んでいました。単なる見学と違い、生活をとおして沖縄を実感するわけですから、当然なのかもしれません。
 また、民泊最後の離村式では、「校長先生、こんないい子たちと交流できて、私たちも本当に楽しかったです」と何人もの民家の方からも喜ばれ、逆にお礼を言われました。生徒たちはもちろん、地元の方にとっても、よい交流ができたようです。
 読谷村の体験は、生徒たちにとって大きな自信につながったことでしょう。Kiroro(読谷村出身のアーティスト)の歌ではありませんが、民泊体験は「未来へ向かってゆっくりと歩いて行こう」と背中を押してもらったのではないでしょうか。

北大金葉祭

 先日、北大金葉祭に行ってきました。この祭は、10年ぐらい前から始まった比較的歴史の浅いものですが、4年ぶりの開催のせいか、大勢の人が集まっていました。北大出身の私としては、この時期の北大構内にあるイチョウ並木が黄金色に紅葉する風景は、見慣れたものでした。この景色をライトアップさせ、出店を構えてイベント化し、一般市民や観光客を喜ばせるとは、たいしたものです。この祭を最初に企画した当時の学生たちに、頭が下がる思いです。
 さて、このように、関係者にとって当たり前のことが、他者からは魅力的なことは、よくあることです。本校でこれに当てはまることはないか、考えてみました。ありました。本校の教育課程です。本校は、国公立大学進学から民間就職まで、進路希望先が幅広く、多様になっています。なので、教育課程も数多くの選択科目を用意してあり、生徒のニーズに応えてきています。このことは、我々教員にとっては当たり前のことなのですが、生徒にとれば、本校に入学すれば本人の希望とやる気次第でどこへも行けるという魅力になっているのではないでしょうか。
 今、ちょうど大学等の推薦入学試験の時期となっています。本校生徒の多くも、この教育課程で学んだことを糧に挑戦している最中です。生徒諸君、夢に向かって舞い上がれ!

学校の財産

 教員をやっていて何よりもうれしいのは、卒業生が社会で活躍していることを目の当たりにしたり、そんな卒業生が母校を訪ねてきてくれたりする瞬間です。
 「恵庭北の1枚」でも紹介しましたが、先日、本校の卒業生で東京オリンピックにも出場した寺田明日香さんが、陸上競技部顧問のところに顔を出し、丁寧にも校長室や職員室、事務室にも挨拶して回ってくれました。本校の廊下には、陸上競技部の全国大会出場のパネル写真が飾られているのですが、その中の1枚に高校時代の寺田さんの写真もあります。実に高校生らしい写真なのですが、そんな寺田さんも、今ではアスリートのオーラが出ている素晴らしい大人です。高校生はこんな風に社会人になるのだなあと、実感した瞬間でした。
 よく「生徒と卒業生は、学校の財産だ」とおっしゃる学校教育関係者がいますが、本当にそれを実感しました。社会で活躍している卒業生も財産ですが、そうなる可能性のある生徒も財産なのです。目の前の生徒たちは財産であることを、決して忘れてはいけませんね。
 ♪銀(しろがね)も 金(くがね)も玉も 何せむに
  優れる宝 子にしかめやも♪(「万葉集」より山上憶良・作)

栄冠は君に輝く

 6月28日(火)、夏の高校野球大会札幌支部予選が札幌麻生球場で行われ、第3試合は本校と札幌国際情報高校の第1回戦でした。私も応援に駆けつけたのですが、試合は惜しくも4対1で負けました。後で知ったのですが、この代はこれまでの公式戦2試合ともコールド負けだったそうです。それが今回9回まで強豪校の相手を追い詰める試合ができたのですから、大善戦だったのではないでしょうか。
 天候は大雨で最悪でした。相手だけではなく、天候や、自分たち自身とも戦ったのです。最後まで諦めない試合振りは、まさに「あっぱれ」です。本校生徒のよさが全面に出たゲームでした。3年生はこれで引退ですが、チームをここまで成長させたことは大いに自信を持っていいと思います。
 野球部だけではなく、高体連の地区大会でも本校生徒の善戦の報告を受けております。高体連は観戦禁止のため、私も見られなかったのですが、本校生徒のよさを前面に出し、最後まで諦めない試合を行ったのだと思います。
 女子陸上競技部は、全国大会出場を決めています。全国大会に出場する選手たちにエールを送るとともに、すでに引退した3年生部員には「よくやった」と褒めたいと思います。お疲れ様でした。

限界突破

 6月8日(水)~12日(日)にYOSAKOIソーラン祭りが3年ぶりに開催されました。その会場の一つ、道庁赤れんが会場で次のようなハプニングがありました。あいにくの雨のため放送機器が故障し、会場は「中止になるのでは…」という雰囲気になったそうです。ところが、出場するチームが「音楽がなくても演舞させてほしい」と強く訴え、祭りは音楽なしの演舞で再開されました。私は後でSNSを見て知ったのですが、その動画を見ると、音楽なしでも会場の暖かい手拍子で揃った演舞を行っており、終わった後は、会場全体が感動に包まれた拍手で一杯でした。「限界突破」とは、そのチームの演舞の際に叫ぶ台詞の一部ですが、まさに「限界突破」です。
 2年間出場したくてもできず、つらい思いを経験したからこそ、簡単に諦めず、わずかなチャンスを逃さないで演舞した結果、感動的なステージになったのではないでしょうか。
 私は、彼らから「何事も簡単に諦めてはいけない」ことを、改めて教えてもらった気がします。現在、本校では3年ぶりの学校祭準備に入っています。準備を進めていく生徒たちにこの「諦めない気持ち」を伝えるとともに、私自身もこの気持ちを忘れてはいけないと、戒めたいと思います。
 ♪限界突破、ヤー!!!♪

栄光の架橋

 5月9日(月)6校時、コロナ感染予防の観点から放送による高体連壮行会が開かれました。
 私も激励を行いましたが、この放送による激励や講話というのは実に難しいものです。何せ相手が見えないので反応がまるで分からないからです。
 この壮行会でも、放送で普通に話してもどこまで気持ちが伝わるか自信はありませんでした。そこで、激励の後半にゆずの「栄光の架橋」を、詩の朗読から始め、サビを歌ってみました。生徒会指導部長の先生からは笑顔で「ありがとうございました」と言ってもらったものの、あとは???ほとんど反応が分からずその日は終わりました。
 ところが、それを境に、廊下で元気に挨拶する生徒が増えてきました。中には「校長先生、『栄光の架橋』歌ってくださいよ~」と言ってくれる生徒もいました。かわいいものです。現在、本校の教員と全員面談していますが、担任の先生の話では、放送の壮行会で私の歌に拍手を送ってくれたクラスもあるようです。ということは、こちらの気持ちが伝わったのでしょうか。
 現在、高体連石狩支部大会の最中で、全道大会出場を決めた選手、善戦しながら惜しくも敗れた選手など、それぞれですが、選手の皆さんには、自分の持てる力を最大限出してほしいと思っています。
 君たちの流した血と汗と涙は、栄光への架け橋だ!